その事業で、何が変わる?

総合計画と事業をつなぐロジックモデル入門

自分の仕事を周りと一緒に進める

「この取組は必要だと思う」「ここを変えたい」。ご自分の仕事で、上司や同僚、関係する部署の人と一緒に進めたいことを一つ思い浮かべてください。

その取組が誰の何に役立つのか。なぜ、その方法で進めたいのか。まだ分からないことは何か。こうした点を説明できると、相手も取組の意味や協力できそうなところを考えやすくなります。

ロジックモデルは目指す変化と、そこへ至る道筋を見える形にする道具です。自分の仕事が住民の何に役立つのかを捉え、周りの人と説明・相談するときに使います。

この記事では架空の親子交流会を題材に、活動と変化を分け、つながりを問い直し、計画と取組を結びます。その後、変化を確かめる指標を一つ考え、自分の仕事で確認することを残します。ロジックモデルを初めて学ぶ方も、専門知識や担当事業の資料を用意せずに読み進められます。

途中の問いは手元のメモに書いて考えてください。印刷して使いたい方には前半と後半の用紙もあります。自分の事業の完成したモデルや、詳しい測定計画まで作ることは求めません。

学ぶ内容を先に知りたい方は、概要動画をご覧ください。動画は対面研修の紹介です。この記事は一人でも順に考えられるように書いています。本文から読み始めても構いません。

概要動画(2分55秒)・日本語字幕付き

1.実施量と目指す変化

採用説明会の比較

保育士の採用を増やしたいとき、次の二つをどう見ますか。

比較する点 A B
採用説明会の開催回数 100回 2回
採用人数 0人 2人

採用を増やす目的に近づいたのは、どちらでしょうか。回数と採用人数が、それぞれ何を示しているか考えてみてください。この数値は二つの説明を比べるための設定で、実在する施策の成績ではありません。

開催回数ではAが多く、採用人数ではBが目的に近づいています。開催回数も必要な実績ですが、何回行ったかだけでは目指す変化まで分かりません。また、Bの採用が説明会だけの効果だったと、この表から断定することもできません。

資源・活動・実施結果・変化

事業を見るときは、次のように分けて考えます。

見ること 用語 採用説明会での例
何を使うか インプット 職員の時間、会場、予算
何をするか 活動(アクティビティ) 採用説明会を開く
どれだけ実施・提供したか アウトプット 説明会の開催回数
どんな変化につながったか アウトカム この例では、採用につながること

活動から変化までは、間にいくつかの段階がありそうです。たとえば「説明会を開く→仕事を知る→働きたいと思う→応募する→採用につながる」という道筋を考えられます。

矢印を描けば、そのとおりに進むと決まるわけではありません。この道筋は今の考え、つまり仮説です。つながるために何が必要かを考え、実際に変化が起きているかも確かめ直します。

親子交流会の事例

ここからは、次の架空の事例で考えます。

みどり市では、身近に子育ての悩みを話せる保護者仲間がいない人がいると考えています。そうした保護者に、話せる保護者仲間ができることを目指して、親子交流会を開いています。

職員が遊びや少人数で話す時間を用意します。初めての人も参加できます。開催日時は平日午前で、申込みが必要です。終了後の交流の続き方は、まだ分かっていません。

交流会を開く先に、保護者が子育ての悩みを話せる仲間を持てることを目指しています。この事例と、この後の計画・取組候補は、実在する自治体や住民の実態を示すものではありません。

2.活動と人の変化を分ける

四つの文で考える

前半の用紙のワーク1、または手元のメモを使ってください。

次の四つの文を「活動」「直接の実施結果」「人の変化」に分けてみましょう。文だけでは判断できない場合は、何を確かめたいか、問いを一つ書いてください。

  1. 交流会を開く
  2. 参加した保護者が20人
  3. 子育ての悩みを話せる保護者仲間がいると答えた参加者が増えた
  4. つながりが増えた

どの言葉を手がかりに分けたかも考えてから、下の例と照らし合わせてください。20人は分類のための架空の数です。

分け方と理由の例

文 分け方の例 理由・確かめたいこと
交流会を開く 活動 職員が行うことを表している
参加した保護者が20人 直接の実施結果(アウトプット) 実施した結果の量。参加した保護者の変化までは分からない
子育ての悩みを話せる保護者仲間がいると答えた参加者が増えた 人の変化(アウトカム) 参加した保護者に起きた変化を表している
つながりが増えた 文だけでは判断できない 誰と誰の、どんなつながりか分からない。「誰の何が変わった?」「誰と誰の、どんなつながり?」と確かめたい

迷ったときは「開催するのは誰か」「変わるのは誰か」と問い直してみてください。参加人数を数えることも必要ですが、その数字だけで話せる仲間ができたとは言えません。

なお、「参加した保護者が20人」は実施量を表す文です。この後の道筋では、保護者が参加するという行動も考えます。同じ「参加」という言葉でも、その文で何を捉えているかを見てください。全ての事業で、同じ言葉を同じ箱に入れるとは限りません。

自分の分け方を見返し、理由を説明できるか、曖昧な文に問いがあるかを確かめてください。周りの人に事業を説明するとき、参加人数に加えて何を伝えたいでしょうか。

3.矢印のつながりを問い直す

知ることから行動まで

相談先を知っていても、実際に相談するとは限りません。相談してみたいと思っても、時間や利用条件が合わない場合もあります。

人の行動までの段階を考えるモデルの一つに、購買行動を扱うAIDMAがあります。注意・認知、興味、欲求、記憶、行動という見方です。ここでは用語の暗記よりも、「知ることと行動することの間に、何がありそうか」を考える手がかりにします。電通報のAIDMAの紹介

全員が自動的に同じ段階を進むとは考えず、気持ちに加えて行動するための条件も見ます。意欲以外の条件も関わるという見方の参考として、Michieほかの研究も挙げられます。

矢印を一つ選ぶ

親子交流会の道筋を、次のように置いてみます。

交流会を開く → 保護者が参加する → 保護者同士が知り合う → 子育ての悩みを話せる保護者仲間ができる

前半の用紙のワーク2、または手元のメモで、矢印を一つ選んでください。そして、次の二つを書いてみましょう。

  • なぜ、そのままではつながらないと考えたか(理由)
  • つながるために必要な変化、または確認したいこと

たとえば「参加する→知り合う」を選んだら、参加しただけで初対面の人と話せるだろうか、と考えます。事例に書かれていないことは、起きている事実として埋めず、「確認したい」と書いてください。

一人で読む場合は、用紙の「ペアの相手から得た気づき」の欄を、自己確認のメモ欄として使ってください。「全体の共有の後、補いたいことがあれば書き足す」の欄は、さらに補いたいことがあれば使います。

理由と補うことを一組書いたら、別の立場から見直します。初めて参加する保護者だったらどうか。平日午前に参加しにくい人だったらどうか。自分の説明を聞く同僚なら、どこを質問しそうか。誰かと一緒に読んでいる場合は、お互いに説明し、問いを返してもらってもよいでしょう。

問いと補うことの例

自分で一つ考えてから、ほかの矢印の例も見てください。

選んだ矢印 そのままではつながらないと考えた理由 必要な変化・確認したいことの例
交流会を開く→保護者が参加する 平日午前・申込み制では、参加しにくい人もいそう 日時や申込みの条件が、参加の難しさになっていないか確認したい
参加する→知り合う 初めての人は、話に入りにくいかもしれない 初参加者も話に入りやすい工夫があるか確認したい
知り合う→悩みを話せる仲間ができる 一度知り合っても、悩みを話す関係が続くとは限らない 話しやすさや、その後も関われる機会があるか確認したい

例と同じ矢印や表現である必要はありません。選んだ矢印、理由、補う変化や確認事項が対応しているかを確かめ、見直して気づいたことを一言残し、必要なら最初の理由や補うことを書き直してください。

こうして考えると、「交流会を開催します」という説明に、「悩みを話せる仲間ができることを目指して、初めての人も話に入りやすい工夫をしたい。その後の関わりも確かめたい」と補えます。相手も「その工夫なら協力できそう」「別の方法も考えられそう」と相談しやすくなります。

別の分野で試す

架空の「市が特殊詐欺への注意を呼びかけるチラシを配る→被害が減る」という道筋では、間にどんな住民の行動が必要でしょうか。下の例を見る前に、一つ考えてみてください。

たとえば「不審な電話が来たとき、すぐに送金せず、確認・相談する」という行動を考えられます。ただし、実際にそう行動できるかは、別に確かめる必要があります。この例は実在する制度や効果を示すものではありません。

4.計画から必要な変化を考える

計画と保護者の状況

ここまでは活動から、その先の変化を考えました。次は計画が目指す姿から、必要な変化と取組の関係を考えます。後半の空欄用紙、または手元のメモを使ってください。

架空の計画には次のように書かれています。

安心して子育てできるまちを目指します。子育て家庭が孤立せず、身近な人や必要な支援とつながれる地域づくりを進めます。

地域には、次の状況の保護者がいると考えます。

記号 現在の状況
ア 転入後、近くに子育ての悩みを話せる保護者仲間がいない
イ 子育てで困っているが、どこへ相談すればよいか分からない
ウ 支援を利用したいが、自分が対象になるか、どう申し込むか分からず、利用できていない

この保護者たちがどうなれたら、計画の「子育て家庭が孤立せず」「身近な人や必要な支援とつながれる」に近づきそうでしょうか。取組の名前を考える前に、保護者の変化を思い浮かべてください。

状況と目指す状態を対応させる

考える足場として、目指す状態を三つ用意しています。

記号 目指す状態
A 子育ての悩みを話せる身近な保護者仲間がいる
B 自分の困りごとに合う相談先を知っている
C 必要なとき、自分に合う支援を利用できる

それぞれの状態を目指したいのは、左のア・イ・ウのどの状況でしょうか。用紙では右の各カードに印刷されたア・イ・ウに丸を付けます。複数でも構いません。メモを使う場合は、状態の記号と、対応すると考えた状況の記号・理由を書いてください。

丸を付けてから、次の例と照らし合わせてください。たとえば、仲間がいないアの保護者がAの状態になれば、計画の「子育て家庭が孤立せず」へ近づきそうです。一対一の正解を当てるより、なぜその状況と状態を結ぶかを考えます。相談先を知るBと、実際に支援を利用できるCは異なる状態です。

取組を間に置く

取組の候補は次の三つです。三つとも架空の教材用設定で、効果は確かめられていません。後二つは検討案です。

取組 実施内容・条件
親子交流会 平日午前、申込み制。遊びや少人数で話す時間を用意する。その後の交流の続き方は未確認
相談先の案内 困りごとの種類に応じた相談先の一覧を届け、窓口の探し方を説明する案
利用相談・申込み支援 保護者と対象条件や申込み方法を一緒に確認し、必要な手続きを支える案

最初に、前半の親子交流会を「現在の状況→取組→目指す状態」の中へ置いてみましょう。前半で考えた矢印の理由・条件も見返し、どの状況の保護者に働きかけ、どの状態へ近づけたいか、二本の線で結びます。

自分で二本の線を引いてから、次の例と照らし合わせてください。一つの道筋は「ア→親子交流会→A」です。前半で考えた参加や、その後の関わりの条件は、この取組からAへつながるかを考える材料になります。

続いて、ほかの取組も同じように結んでみてください。用紙では左と右を直接結ばず、中央の取組を通る二本の線を使います。全部の組合せを結ぶ必要はなく、判断できない線は保留して構いません。線は仮説であり、効果を確認した印ではありません。

同じ目指す状態に賛成していても、上司や同僚は別の方法を考えるかもしれません。ほかの手段も見渡すと、その取組を選びたい理由や、誰に届くか、何を組み合わせたいかを説明・相談する材料が増えます。

5.一組の理由と難しい場面を考える

深く考える一組を選ぶ

結んだ線から、考えたい一組を選んでください。親子交流会でも、ほかの候補でも構いません。

用紙ではその一組の二本の線に★を付け、左の「対象」、中央の③、右の①に丸を付けます。右カードの状況記号に付けた複数の丸とは別の選択印です。選んだ左の記号が右カードの丸に含まれているかも確かめてください。含まれていなければ理由を考え直し、丸か選んだ組を修正します。ほかの丸は消す必要はありません。

メモで進める場合は、選んだ状況・取組・目指す状態を一組として書けば大丈夫です。ここからの①は目指す状態、③は取組を指します。

②計画との関係と④保護者の変化

②には、目指す状態が計画のどの言葉へどう近づくかを、一言書きます。

「__という変化があれば、計画の『__』へ近づく」という形も手がかりになります。

④には、取組を受けた保護者が何をできるようになってほしいかを書きます。職員が行う支援と、その先の保護者の変化を分けてください。

たとえば、利用相談・申込み支援なら、「職員が申込み方を説明する」は職員の活動です。「保護者が対象条件と申込み方法を理解し、必要な申込みを進められる」は、保護者の変化を表します。それが、必要なときに支援を利用できる①の状態へどう役立つかを考えます。

④と①はどちらも人の変化です。④は①へ至る途中の変化として考えます。文が近い場合も無理に違う変化を作らず、取組を受けて何が分かるようになるか、何をできるようになるかを確かめてください。

⑤難しい人・場面と次の確認

この取組だけでは、目指す状態へ近づくのが難しい人や場面もありそうです。⑤に一つ書いてください。平日午前の交流会へ参加しにくい人、案内を受け取れない人、相談に来られない人などを考えられます。

そのうえで、自分の記録を次の問いで読み直します。誰かと一緒なら、一組・②・④・⑤の順に説明し、お互いに問いかけてください。

  • ④の保護者の変化は、目指す状態(①)へどうつながりそうか。
  • ⑤で挙げた人にも届く工夫はできそうか。それとも別の方法が必要そうか。

気づいたことをもとに、⑤へ「工夫や別の方法で、確認すること」を一言足します。用紙では⑤の下段「ペアの後」の欄を使ってください。一人で読む場合も、自分で見直した後の確認を書きます。たとえば「別の相談方法があるか、担当者に聞く」といった次の確認です。新しい施策や別の枝を完成させるところまでは求めません。

一組の②・④・⑤がそろったら、それぞれが同じ状況・取組・目指す状態を見ているか、確かめてください。

6.変化の確かめ方と指標

⑥何を聞くか・何を見るか

取組を行った後、目指す状態に近づいているかも知りたくなります。ここでは、選んだ①の状態をどう確かめるか考えます。④もアウトカムですが、今回の⑥・⑦で見るのは①です。

指標の候補を見る前に、⑥へ次のどちらかの案を一つ書いてください。

  • 誰に、何を尋ねるか。
  • 何の記録を見て、何を確かめるか。

「アンケートを取る」と書いた場合は、誰に何を聞きたいかまで考えます。①の文を質問にしても構いません。詳しい質問文、確認の時期、取得方法まで全て決める必要はありません。事例に実際の調査や記録があるとは限らないので、確かめ方の案として書きます。

⑦指標を一つ考える

⑥に案を書けたら、確かめたいことを人数や割合などで表します。これが指標です。

たとえば「必要な支援を利用できましたか」と聞く案なら、「支援を必要とした対象者のうち、利用できたと答えた人の割合」と表せます。目指す状態を短く言い換えるだけでなく、何を数字で見るのかを考えます。

指標の中で、特に大事にして追っていくものをKPIと呼びます。ここでは、選んだ①を確かめる指標を一つ考えます。次の候補を選んでも、書き換えても構いません。

何を見る候補か 指標の候補
実施状況を見る比較用 交流会の参加人数
Aへ至る途中の変化を見る比較用 「会で初めて話す保護者と話せた」と答えた参加者の割合
Aの目指す状態 「子育ての悩みを話せる身近な保護者仲間がいる」と答えた対象者の割合
Bの目指す状態 「自分の困りごとをどこへ相談できるか分かる」と答えた対象者の割合
Cの目指す状態 支援を必要とした対象者のうち、「必要な支援を利用できた」と答えた人の割合

参加人数と、初めての保護者と話せた人の割合も、取組を見る情報になります。ただし、それだけで悩みを話せる仲間がいるかは分かりません。今回は①で選んだ状態を見る指標を⑦に置いてください。

①・⑥・⑦の対応と数字の範囲

自分の①→⑥→⑦を指し、「誰のどんな状態を、何を聞く・見ることで、どんな数字として確かめるか」と説明してみてください。次の点も見直します。

  • 回数・参加人数・満足度だけで、目指す状態になったことを示していないか。
  • 相談先を知るBと、支援を利用できたCを同じものとして扱っていないか。
  • Cの割合では支援を必要とした対象者を分母として考えているか。
  • 参加した人や回答した人だけの数字から、地域全体の状態を断定していないか。

⑤に挙げた、届きにくい人や相談に来られない人も見返してください。その人たちの状況を、⑥の案でどこまで把握できそうでしょうか。まだ把握方法が分からなければ、未確認の点として残します。

数値を得ても、それだけで取組の効果を断定はできません。どの対象・どの状態について分かる数字なのかを確かめながら、必要なら⑥・⑦を直してください。

7.考え方の例と職場の一歩

一組を通して見直す

ここまで一組を考えたら、次の例と照らし合わせてください。例と同じ言葉かどうかよりも、選んだ状況・取組・状態と、理由・変化・確認事項が対応しているかを見ます。

一組の例 ④できるようになってほしいこと ⑤難しい人・場面と次の確認
ア→親子交流会→A 初めての相手とも話し、悩みや経験を伝え合える 平日午前に来られない人。別の届け方があるか担当者に聞く
イ→相談先の案内→B 案内の一覧の見方・探し方が分かる 案内を受け取れない人。届け方を担当者に確認する
ウ→利用相談・申込み支援→C 条件・申込み方が分かり、必要な申込みを進められる 相談に来られない人。別の相談方法があるか担当者に聞く
同じ一組の例 ⑥確かめ方の案 ⑦指標の例
ア→親子交流会→A 対象者に、話せる仲間がいるか聞く 仲間がいると答えた人の割合
イ→相談先の案内→B 対象者に、相談先が分かるか聞く 相談先が分かると答えた人の割合
ウ→利用相談・申込み支援→C 必要な支援を利用できたか聞く 支援を必要とした対象者のうち、利用できたと答えた人の割合

用紙上の一組のまとまりはCの記入例でも見返せます。Cの②は計画の「必要な支援とつながれる」へ近づくため、という理由です。⑥には、まだ相談につながれていない人の把握方法は未確認と残しています。

これらは一例です。三つの取組で全ての手段を網羅したわけでも、親子交流会が最善と確かめたわけでもありません。同じ変化へ近づく別の方法と、別の変化を補う取組の組合せの両方を考えられます。誰に届き、なぜその取組を選びたいか、まだ何を確かめたいかを、説明・相談する材料にしてください。

自分の仕事で確認すること

最初に思い浮かべた、周りと進めたい仕事へ戻りましょう。次の三つのうち、一つを手がかりに考えてください。

  • 目指す変化を、周りの人と共有できているか。
  • ほかの方法や、届きにくい人への工夫を考えられそうか。
  • 目指す変化が起きているか、どう確かめられそうか。

⑤や⑥・⑦で考えたことも手がかりにできます。

後半用紙の「職場の一歩」、またはメモに、次の二つを一件の確認行動として書いてください。

自分の仕事で確認すること 聞く相手または見る情報
ご自身の仕事について一つ その確認のための相手か情報を一つ

親子交流会の答えを写す欄ではありません。自分の担当事業で「対象者に届く別の方法があるか」を確認し、その事業の窓口担当者に聞く、といった一歩でも構いません。自分の事業のモデルや指標まで完成させる必要はありません。

目指す変化と道筋、まだ分からないところが見えてきたら、実現したい取組について周りの人と話す材料にしてみてください。

参考:アウトカムの段階とKPI・KGI

初期・中期・長期の見方

もう少し整理したい方向けに、アウトカムの段階を紹介します。後半の本編PDFの最後(P.30)にも同じ内容があります。本編を読むための前提ではありません。

アウトカムを初期・中期・長期に分けて考える場合があります。親子交流会のAに当てはめると、次のような一例を置けます。

区分 この事例での一例
アウトプット 交流会の参加人数
初期アウトカム 会で初めての保護者と話せた。④(途中の変化)に当たる一例
中期アウトカム 悩みを話せる保護者仲間がいる。Aを①に選んだ場合の目指す状態で、⑦の指標でこの状態を確かめる
長期アウトカム 計画の目指す「子育て家庭が孤立せず」に近づく

①の状態そのものと、⑦の人数・割合などの指標は別です。また、この段階の分け方はAの一例で、どこを初期・中期・長期と捉えるかは事業の目的によって変わります。

分ける際は、変化が現れるまでの時間や、事業が直接もたらす変化か、ほかの要因も関わる変化かが目安になります。初期アウトカムの指標は、事業がうまく進んでいるかを早めに確かめる手がかりになります。文部科学省「『ロジックモデル』作成マニュアル」(2023年3月、p.3・18〜19)の考え方をもとに整理しています。

KPIとKGIの見方

主に企業で使われる言葉として、KPIとKGIもあります。

用語 ここで紹介する意味
KGI 最終的な目標をどこまで達成したかを見る指標
KPI そこへ向かう途中の進み具合を見る、特に大事な指標

本編で紹介した「特に大事にして追っていく指標」というKPIの見方と合わせて読んでください。どの指標を重視するかは目標と道筋に照らして考えます。この記事では⑦の指標を全てKPIかKGIに分類したり、目標値や管理方法を決めたりする課題は設けていません。

KPI・KGIは一般的な用語の説明として紹介しており、上記の文部科学省マニュアルに記載された用語として挙げているものではありません。

手元で考えるための教材・出典

教材

一通り考えた後は、本編PDFや記入例も復習に使えます。本編PDFは対面研修の投影資料のため、時間・ペアの指示や休憩・アンケートの案内も含みます。用紙はA3横・片面各1枚です。

教材 使い方
前半の本編PDF(21頁) 活動・実施結果・変化の区別、矢印への問いを見返す
後半の本編PDF(30頁) 計画と取組、確かめ方と指標を見返す。最後に段階と用語の参考頁を含む
前半の用紙 四文の分類と、選んだ矢印の理由・補うことを考える
後半の空欄用紙 一組を選び、①〜⑦と職場の一歩を考える
Cの記入例 自分で考えた後、欄同士の対応を見返す。職場の一歩は各自の仕事で書く
概要動画 どんな事例で何を考えるか、学ぶ内容の見通しを知る

出典

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